DB等の他制度があるとiDeCo活用が難しい場合も

ご自身の状況を確認したら、マッチング拠出もしくはiDeCoでいくら拠出できるのかを考えます。DB等の他制度の有無が最初のポイントとなります。

お勤め先にDB等の他制度がある場合

ケース1【④経過措置有かつ③が2万7500円超の方】

iDeCoの活用は難しいと思われます。

他制度掛金相当額(③)が大きい場合、企業型DCの拠出限度額は2万7500円のまま変わりません。企業型DCマッチング拠出の設定があれば、2026年4月以降は2万7500円から事業主掛金額(①)を引いた金額までマッチング拠出が可能です。一方、iDeCoへの拠出は次の計算式が5000円以上であれば可能です。

5万5000円-事業主掛金額(①)-他制度掛金相当額(③)
※2026年12月以降は 6万2000円-事業主掛金額(①)-他制度掛金相当額(③)

ケース2【④経過措置有かつ③の金額が2万円以下の方】
お勤め先での企業型DC規約の変更が必要になると想定されます。

規約変更後には、本人拠出(マッチング拠出もしくはiDeCo)の限度額は、下記の計算式になります。

5万5000円-事業主掛金額(①)-他制度掛金相当額(③)
※2026年12月以降は 6万2000円-事業主掛金額(①)-他制度掛金相当額(③)

ケース3【④経過措置無かつ③の金額が2万円以下の方】

本人拠出(マッチング拠出もしくはiDeCo)の限度額は、下記の計算式になります。

5万5000円-事業主掛金額(①)-他制度掛金相当額(③)
※2026年12月以降は 6万2000円-事業主掛金額(①)-他制度掛金相当額(③)

お勤め先にDB制度等の他制度がない場合

5万5000円-事業主掛金額(①)
※2026年12月以降は 6万2000円-事業主掛金額(①)

マッチング拠出が可能であれば、基本的にマッチング拠出を活用しましょう。

ただ、加入者の半数はお勤め先でマッチング拠出が設定されていないため、iDeCoの活用になります。iDeCo掛金の拠出上限は2026年12月までは2万円(事業主掛金(①)とあわせて5万5000円を超えない金額まで)、2026年12月以降は6万2000円から事業主掛金(①)を引いた金額となります。

一方、マッチング拠出が可能であっても、次のようなケースではiDeCoの活用も視野に入ります。

・50代後半の方

企業型DCの資格喪失年齢が60歳で、60代前半は仕事を続けようと考えている場合、iDeCoで掛金拠出をすると、所得税・住民税の優遇メリットがあります。さらに、2026年12月以降は70歳までiDeCoの掛金拠出が可能になります。

・企業型DCの運用商品ラインアップに魅力を感じない方

企業型DCがスタートして20年以上が経過し、開始当初とは運用商品も大きく変わっています。特にインデックスファンドは信託報酬が低廉なものもあります。

長期で考えると信託報酬の違いが大きな差を生むことになります。一方でiDeCoの管理手数料は本人負担となるため、その点も勘案しながら決定しましょう。

マッチング拠出であれiDeCoであれ、2026年12月以降はDB等の他制度がないケースでは月額6万2000円までDC拠出が可能になります。

仮に毎月6万2000円を38年間積み立て、2%で運用できたとすると、DCだけで4258万円を準備できることになります。

現在の退職所得控除額(38年で2060万円)を大きく上回ることになり、課税所得が1000万円を超えてきます。もちろん、現役時代の所得税・住民税の優遇は大きいものがありますが、拠出限度額が大きくなるにしたがって受取時の税金も考慮する必要が生じそうです。