老後資金・老後生活費・老後収入に対するイメージについて

まず、「老後資金」(公的年金のほかに、自分で準備しておく金額)として必要な金額をたずねると、どの年代においても4割から5割の方が「わからない、見当がつかない」と回答しています【図表4】。

【図表4】「老後資金」(公的年金のほかに、自分で準備しておく金額)として必要な金額

 

※「老後」:概ね65歳以降と定義 ※5%未満はグラフ内の比率表示を省略

また、老後の生活費の想定に関してたずねたところ、回答者の約半数(49.0%)が「わからない・答えたくない」と回答しています【図表5】。リタイアへの意識が高まってくる50歳代でも「わからない・答えたくない」比率が5割程度あり、年齢が高くなっても「想定できていない」比率が減少していない点が特徴といえます。

【図表5】老後の生活費(月額)の想定

 

※5%未満はグラフ内の比率表示を省略

なお、50歳代・60歳代に「現時点の生活費」と「老後生活費(見込み)」をたずねています【図表6】。現時点の生活費が25万円以上の区分においては、老後生活費の見込みを現時点の生活費のおおよそ7~8割程度と想定していることが確認できました。リタイア後の生活費について「現時点の生活費から極端に減らさなければいけない」という意識ではないようです。

【図表6】50歳代・60歳代における、現時点の生活費月額と老後生活費(見込み)の月額比較

 

※比率の算出においては、老後生活費(見込み)の月額平均(②)を現時点の生活費月額(①)におけるレンジの中央値で除した。なお、「~5万円未満」は4.8万円、「50万円以上」は52万円で算出

次に、老後の「収入」についての意識を見てみると、柱である「公的年金」については、公的年金の受給額を「イメージできていない」比率が全年代で58.6%と約半数を占めています。年齢が高くなるにつれて公的年金の受給額がイメージできる割合は高くなりますが、50歳代でも「イメージできていない」比率が多数派となっています【図表7】。

【図表7】世帯で将来受給する公的年金のおおよその受給月額をイメージできているか

 

*すでに受給している方は現在の受給月額について回答

ここまで、老後資金に不安を持つ人が約半数であることと、その理由が、老後に関するお金がわからないためであることを見てきました。

次回は、年金や退職金といった、収入面について更に深掘りします。

●参考:【公的年金の受給額「イメージできていない」人は約半数 老後資金不安を払拭するために今からできる対策は…】

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 杉浦 章友)