インド株ファンドは復調も、米株には及ばず!?

浜銀TT証券の売れ筋に入っているインド株ファンドがジリジリと順位を下げている。この背景にあるのは、インド株ファンドのパフォーマンスが今一つ冴えないことが考えられる。2023年12月末を起点として2024年1月以降の基準価額(分配金込み)の推移を振り返ると、インドの代表的な銘柄に投資して中長期的に投資収益の最大化をめざす「イーストスプリング・インド株式オープン」は、継続して「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」を下回る運用成績になっている。2024年1月以降の世界の株式市場では、2024年8月と2025年4月に急落し、その後に株価が戻るという経緯をたどっているが、この2回の株価急落からの戻り局面で、インド株の戻りは米国株の戻りに届いていない。

一方、「T&Dインド中小型株ファンド『ガンジス』」の2024年8月の急落の戻りは、米国成長株とほぼ同等を実現し、2025年2月の戻りにおいても米国成長株に迫る戻りとなっているが、それでも、やや力強さに欠けている。7月に入って徐々に米国成長株の優位性が明らかになっているようなパフォーマンスになっている。

このようにみていくと、2024年の段階で割高との指摘から株価の上昇余力が小さくなっていたインド株に対し、同じように割高の指摘がありながらもいち早く史上最高値を更新できる米国株の地力の違いを感じさせる動きになっている。このような差は、今後インド経済が一段と成長・拡大する中で解消されるものだろうが、現在のところは米国に一日の長がある。

また、インド株ファンドの比較ではパフォーマンスの面では中小型株ファンドに優位性がある。中小型株は大型株と比較すると金融や小売業など内需関連の比重が高いという性格がある。米国の関税を巡る貿易戦争が繰り広げられている中、インド経済の高い成長力を直接享受できる内需関連に安心感や成長への期待は強いだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩