個人投資家がバフェット戦略を実践するとしたら

個人投資家にとって、バークシャーのような保険会社を所有し、大規模な資金調達をすることはもちろん現実的ではない。しかし、この考え方を個人レベルで取り入れることは可能だ。

まず、個人にとっての「投資資金の調達手段」は、継続的かつ安定的な所得創出であろう。給与所得、副業、不動産収入などを通じて、自分自身の安定した資金調達源を作り出すことが第一歩となる。

次に、近年日本でも個人投資家向けにプライベートエクイティを含めたオルタナティブ投資商品が徐々に普及しつつある。かつては機関投資家だけに開かれていた非上場企業への投資機会が、個人にも提供され始めている。これを利用することで、バフェットが実践したような非公開企業の長期保有による価値創出の恩恵を、個人投資家も享受できるようになりつつある。

富の創出の本質的な仕組み

ここで重要なことは、バフェットの投資の本質は単なる上場株の長期保有に留まらないということだ。彼の真の成功は「安定的な資金調達手段を確立し、その資金で非上場企業に長期投資を行うこと」によって実現された。

バフェットの成功の表面的な部分のみをみても、その背後にある戦略や富の創出の本質的な仕組みは完全には見えてこない。これからの資産運用では、単に表面的な手法を模倣するのではなく、本質的な資金調達や長期的価値創造の仕組みを理解し、それを自分自身の投資戦略として取り入れていくことが重要である。