加給年金が支給されなくなる時期とは

広美さんの年金の支給開始年齢と内訳は前述の通りとなりますが、では、知樹さんの加給年金はどうなるのでしょうか。

加給年金は、加算対象となる年下の配偶者が厚生年金加入期間20年以上で計算された特老厚を受けられる場合、たとえ配偶者が65歳未満であっても加算されないことになっています。言い換えると、加入期間自体は20年以上あっても、受給する年金が20年の加入期間で計算されていない場合、その加算は配偶者が65歳になるまで続くことになります。

広美さんの厚生年金の加入期間は合計として26年あっても、その26年の老齢厚生年金として受けられるのは65歳以降のことになります。63歳から2年間支給される特老厚は63歳時点で16年の厚生年金加入期間で計算されるため、20年未満ということになります。また、広美さんは現在62歳で、仮に62歳から65歳まで3年間民間企業で働いて厚生年金に加入したとしても、65歳前は合計19年にしかなりません。そのため、広美さんが65歳になるまで、知樹さんの加給年金は加算され続けることになります。

支給開始時期や受給見込額は必ず確認を!

こうして、知樹さんは2年間加給年金が加算されると聞いて安心しました。また、広美さんも将来の年金のことを詳しく知るきっかけができ、今後の年金生活のことがイメージできるようになりました。

年下の配偶者がいると、自分は加給年金が受けられるのか、どれくらい受けられるのかも気になることでしょう。公務員と民間企業、両方で厚生年金に加入している場合は、それぞれの老齢厚生年金の額が違うことはもちろん、それぞれの期間についての年金の支給開始時期が異なることもあります。そして、それが今回の加給年金のように配偶者の年金にも影響を与えることがあります。

年金を受けられるようになる前に、年金の加入記録や支給開始時期、受給見込額を確認しておきましょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。