年金を受給できるような年齢になっても引き続き働いて収入があると、まだ年金は必要ないと考えることもあるでしょう。70歳を過ぎてから初めて年金の手続きを行う場合、どのような受け取り方になるのでしょうか。

70代男性の価値観を変えたある出来事

輝幸さん(仮名)は70歳を過ぎても会社で元気に働いています。人手不足もあって、会社に貢献できていることにやりがいを感じています。年金も受けられる年齢にはなっていますが、「年金? まだ必要ないし、なーんにも手続きしてないよ。働いていると年金は受け取れないのでしょ」とあまり年金には興味がなかったようでした。既に年金を受け始めている妻の顕子さん(72歳)から「もう歳も歳なんだし、ちょっとは年金に関心持ったら?」と言われることもありました。

そんな中、輝幸さんは仕事を頑張りすぎたせいか、体を壊して入院することになりました。そして、退院後、体力の限界を悟ったのか、会社も退職することになりました。

71歳を迎え、初めて年金を受け取る手続きをすることにした輝幸さん。「今まで年金関係は放置してて何にも手続きしてなかったな。働けなくなっても年金があると生活できるな」「年金を繰下げすると増える、長生きすれば一生涯に受け取れる額も多くなるって聞いてた。けど、病気したし、長生きできるかわからなくなってきたしなぁ」「どうしたらいいかわからないしとりあえず年金事務所へ行ってみるか……」と年金事務所に行って相談することにしました。