【九州】建設ラッシュは周辺産業にも恩恵、半導体は短期需要増
2025年5月12日に公表された九州の4月の景気の現状判断DIは43.5と、前月差マイナス1.0。なお、全国平均の42.6と比較すると0.9高かった。
2025年4月景気の現状判断DI
九州43.5(前月差マイナス1.0)
全国42.6(同マイナス2.5)
家計と企業、そして雇用に関する景気の現状について九州の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
コンビニ「高層ビルの建設ラッシュで、工事関係者を含む勤務中の店の利用が増加。インバウンドの安定した来店と併せて景気は上向き」(家計動向関連…判断:○やや良。コメントより抜粋、以下略)。
電気機械器具製造業「半導体製造装置向け部品の需要が短期的に増加したため、販売量の動きは良い」(企業動向関連…判断:○やや良)。
職業安定所「新規求人数は前年と比べ減少しているが、製造業の求人数は増加。求人数が減った卸売業や小売業、飲食サービス業も3月のイベント等で売上が好調となり、大型スーパーマーケットの出店など明るい要因もある」(雇用関連…判断:□不変)
その他の特徴コメントとしては、一部の景気ウォッチャーからはやや悪化の声があった。
一般小売店[青果]「4月は、前月と同様に急激に商品の単価が下がり、その分売上が増加しにくくなっている。加えて、米の価格の高騰が生活費に響いており、客の野菜や果物関係の買い控えが発生している」(判断:▲やや悪)
●前編「中国・四国」の景気の現状と先行きは? 全国2番目に高い現状の中国、全国より高い見通しの四国、その理由は【2025年5月公表最新調査】
【九州の景気の先行きは?】DIは全国より高い見通し
九州の景気の先行きについて景気ウォッチャーたちはどう見ているのか。4月の景気の先行き判断DIは43.6と、前月差マイナス3.1。なお、全国平均の42.7と比較すると0.9高い。
2025年4月景気の先行き判断DI
九州43.6(前月差マイナス3.1)
全国42.7(同マイナス2.5)
家計と企業、そして雇用に関する景気の先行きについて九州の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
百貨店「米国の関税政策による景気先行きの不透明さが、資産を多く持つ外商顧客の富裕層の購買意欲にどう影響を及ぼすか、現時点で予測できない」(家計動向関連…判断:□不変)。
金融業「賃上げや物価の上昇を踏まえ、積極的な設備投資はみられず、状況確認が続くため景気は変わらない」(企業動向関連…判断:□不変)。
専門学校「物価の高止まりと人件費や原材料価格の高騰等、企業のコストの高騰が依然として続いているため、景気は変わらない」(雇用関連…判断:□不変)。
その他の特徴コメントとしても、景気の先行きは不変の声が目立った。
一般小売店[茶]「新茶が徐々に入荷し、購入しやすい金額になれば贈答品として若干の売上は期待できる。しかし米を始めとして物価高騰のため、お茶の葉の購入に至るほど客の予算はない」(判断:□不変)