【中国】複数業種で受注&客数増、インバウンドで抹茶の売上もアップ
2025年5月12日に公表された中国の4月の景気の現状判断DIは43.4と、前月差プラス3.2。前月差で見ると、全国12地域で2番目に高かった。なお、全国平均の42.6と比較すると0.8高かった。
2025年4月景気の現状判断DI
中国43.4(前月差プラス3.2)
全国42.6(同マイナス2.5)
家計と企業、そして雇用に関する景気の現状について中国の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
一般小売店[茶]「特に今年に入ってインバウンドを中心とした抹茶ブームで売上が上がってきた。当社は地方を中心に営業をしており、インバウンドとは無縁と考えられてきたが、今年から良い影響が出てきた」(家計動向関連…判断:○。コメントより抜粋、以下略)。
食料品製造業「今年のゴールデンウィークは飛び石連休であるが、前年より受注量が増加している」(企業動向関連…判断:◎良)。
求人情報誌製作会社「2026 年の新卒の内々定保有率は3月末時点で 54.6%と高く、大手メディア企業の調べでは特に理系学生は7割近くの内定率。インターンシップ先が実質の企業選択の要因となっており、多くの学生はインターンシップに参加した先から内々定を得ており、そのなかから入社先を決定する傾向にある」(雇用関連…判断:□不変)
その他の特徴コメントとしては、一部の景気ウォッチャーからは客数増の声があがった。
コンビニ「朝夕の来客数が増加している。事業所や工場に出入りする人が増えており、主食中心に購入が増加している」(判断:○やや良)
【中国の景気の先行きは?】消費の行方は見通しづらい
中国の景気の先行きについて景気ウォッチャーたちはどう見ているのか。4月の景気の先行き判断DIは40.0と、前月差マイナス2.3。なお、全国平均の42.7と比較すると2.7低い。
2025年4月景気の先行き判断DI
中国40.0(前月差マイナス2.3)
全国42.7(同マイナス2.5)
家計と企業、そして雇用に関する景気の先行きについて中国の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
スーパー「米を中心に商品の価格上昇に歯止めがかからない。余分な買物はしていないことが数値にも反映」(家計動向関連…判断:▲やや悪)。
輸送業「米国の関税政策により製造業の客の輸出意欲が急速に冷え込んでいる。2~3カ月後の新規の業務も見通せないため中止となっている」(企業動向関連…判断:▲やや悪)。
職業安定所「4月の新規求職者数は前年同期よりも少ない印象。企業の人手不足感は相変わらず高く、2~3カ月で改善する様子はみられない」(雇用関連…判断:□不変)。
その他の特徴コメントとして、消費の行方が見通しづらいと聞かれた。
人材派遣会社「現時点で米国の関税や円安の影響は一部の製造業にとどまっているが、どの業種も決して楽観視はしていない。今後はこれらの影響が顕在化し、雇用には大きな負の影響が現れるとみられる。ただし労働市場全体の需給はひっ迫していることから、リーマンショック並みの状況にはならないとみている」(判断:▲やや悪)