◆日米株価比較で見える「日本株」の現在地

売れ筋ランキングでトップ10に入ってきた「MHAMインデックスファンド225」は、国内を代表する株価指数「日経平均株価」に連動するインデックスファンドだ。2025年になって米国株が下落基調となる中、2024年7月をピークとしてひと足早く調整安になっていた日本株が米国株に代わって活躍することはあり得るのだろうか? すでに、ドイツ株「DAX」は5月になって史上最高値を更新して米国株の分散投資先の1つとして注目され始めている。日本株には、その資格はないのだろうか?

2020年以降の日米の株価の推移を振り返ってみると、2020年3月の「コロナ・ショック」で下落したところのスタートの水準は日米に変わりがなかったものの、その後、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」をテーマに米国株式が大きく値上がりした折に上昇率で日本株は米国株にかなわなかった。そして、2023年以降には米国株式が「AI(人工知能)」の実用化を材料として再度大きな上昇になった時にも、日本株はそのブームに乗ることができなかった。結果的に2025年5月の時点で、2023年末を起点とすると「ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド」の基準価額は2.4倍の水準にあるが、「MHAMインデックスファンド225」は1.6倍止まりだ。米国株と日本株の間には大きな格差がある。ドイツの史上最高値更新には、「向こう10年で1兆ユーロの追加投資を防衛やインフラ投資で実行する」というドイツの大型財政支出の発表が追い風になった。それに匹敵するような材料が日本株には見当たらないのが実情だ。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩