◆「プロの手腕」生かすアクティブファンドへの見直しが強まる?

「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型) 愛称:世界のベスト」が見直されたのも特徴的な動きだ。「S&P500」や「全世界株式(オール・カントリー)」などのインデックスファンドは、時価総額の大きな銘柄を機械的に組み入れていくため、景気の動向や投資家心理の変化に敏感に反応してしまう傾向が強いが、「世界のベスト」のようなアクティブファンドは、個々のファンドマネジャーが独自の調査・分析の結果によって投資する銘柄を選んでいる。経済状況の変化を踏まえて柔軟に投資対象を変えることができるのが強みだ。

経済政策の変化によって各国の経済成長率等が動くことはよくあることだ。現在のトランプ政権では、その政策が意図的に誇張され経済への影響度合いも増幅されているようなところがある。イレギュラーな状況とはいえるが、このような混乱期にこそ、腕の良いファンドマネジャーは冷静に事態の推移を見守り、適格な投資判断ができるものだ。この数年間は、世界の市場が「コロナ・ショック」という異常事態からの回復をめざして足並みをそろえて経済運営を行うという時代だった。そこから、米国が「自国優先」の政策にかじを切ったことによって世界協調の枠組みが崩れつつある。その流れでは、アクティブファンドに活躍の期待が高まるところだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩