非資源ビジネスが好調 今期の予想純利益を5000億円へ上方修正
次に業績を確認しましょう。直近10期では2020年3月期の最終赤字が目を引きます。これは各事業で減損などの一過性損失が主因です。新型コロナウイルスの影響や市況の悪化などを反映し、通期で4220億円の損失を計上しました。
以降の利益は順調に拡大します。純利益は2023年3月期に過去最高を更新しました。電力や金融といった非資源分野が好調で、全体を押し上げました。
なお、直近2024年3月期は減益で終わっています。米ガビロン売却益のはく落や、市況の悪化に伴う金属事業の減益が重荷でした。もっとも、純利益は期首予想を500億円ほど上振れており、想定より好調な着地となっています。
今期(2025年3月期)はおおむね順調です。第3四半期累計で純利益は前期比14.5%増となっています。金属事業は市況悪化に伴う苦戦が継続していますが、カタールの液化天然ガス事業の終了に伴う実現益や、好調な航空機・船舶事業がカバーしました。
これを受け、通期の予想純利益も上方修正しています。当初は前期比1.8%増の4800億円を計画していたところ、同6.1%増の5000億円を目指します。
【丸紅の業績予想(2025年3月期)】
・純利益:5000億円(+6.1%)
※()は前期比
※同第3四半期時点における同社の予想
出所:丸紅 決算短信
第4四半期は非資源事業がけん引する想定です。電力事業やアグリ事業が成長し、低調な金属事業を補うことを予想します。本決算は例年5月上旬に公表されています。