導入には社内規定の準備、制度の理解・浸透が課題 

「導入時に負担が大きかったこと」としては、「就業規則などの社内規定の整備」46.1%、「社員に制度の仕組みを理解してもらうこと」45.6%が2大要因となった。導入に際しては制度開始の準備や運用の実務、社内浸透といったハードルがあることが明らかになった。

一方で、非導入企業の現状としては、企業型DCについて「聞いたことはあるが導入を検討したことはない」58.0%、「聞いたことがない」24.4%との回答が大半を占め、「検討したが導入しなかった」は17.6%にとどまった。

導入していない理由は、「制度の仕組みや導入のメリットに対する理解不足」24.3%、「導入先の選定・決定が難しいため」23.5%など分散傾向にあった。なお「検討したが非導入」の企業では、「社員に制度の仕組みを理解してもらうのが難しいため」という理由が25.3%と有意に高い結果となった。

このように企業型DC導入にあたっての課題の1つに情報不足が挙げられる。その対策としては行政や金融機関等の関係者が制度内容や導入メリットを分かりやすく広める必要があるだろう。また、事業主から社員への展開の面でも、まずは企業側が制度の趣旨をきちんと理解し、社員に理解しやすく伝えることも欠かせない。

制度普及の後押しとなるものは?

調査では非導入企業に、導入を支援する助成金制度があると仮定した場合、「どの程度の助成があれば導入を検討するか」と、その期待額についても聞いている。結果は「社員一人当たり1万~3万円」との声が多く、非導入企業の中央値は1万5600円だった。例えば国を通じてなどこうした助成策があれば一層の普及につながっていくかもしれない。