最新の景気動向は……
資産形成を進める上で、景気の動向チェックは欠かせない。景気は今“上向き”なのか、それとも“下向き”なのか。今回は帝国データバンクが独自の「TDB景気動向調査」に基づき毎月発表している「景気DI※」をもとに考えてみたい。参考にするのは2025年1月分だ。結果は次の通りとなった。
※帝国データバンクが2002年5月から実施している全国約2万7000社を対象にしたTDB景気動向調査に基づく全国企業の景気判断を総合した指標。50を境に、それより上は景気が「良い」、下は景気が「悪い」ことを意味する。
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景気DIは3カ月ぶりに悪化し、43.6(前月比0.9ポイント減)となった。今回の下落は単なるマイナスではなく、その幅も大きい。食品、サービスやエネルギーなど幅広い分野で起こった相次ぐ値上げが影響した2023年1月以来、2年ぶりの大きな落ち込みとなった。
最大の要因として帝国データバンクが指摘するのが「個人消費の低迷」だ。他に挙げられている要因には、「燃料・原材料価格の上昇」「ガソリン補助金の縮小」などがある。
なお、ガソリン補助金とは、ガソリン価格を抑えるために政府が石油元売り各社に支給しているもの。2024年12月に縮小し、2025年1月にさらに縮小した。その影響からガソリン価格のさらなる値上がりも懸念されている。
帝国データバンクはさらに、年末年始の連休明けで需要が落ち着いたことから国内旅行も悪化したと指摘。また日銀による政策金利の引き上げも、企業や個人の支出を抑える要因となったと分析している。
一方で、明るい材料もある。インバウンド需要は引き続き好調であり、自動車部品生産の復調も好材料だったと評価。景気悪化という結果は出ているものの、成長の兆しを示す分野は存在していると言えそうだ。