冬ボーナス伸び率1位の業種は?

1位~10位の結果を見ていこう。

 
出所:厚生労働省 「令和6年 民間主要企業年末一時金妥結状況」
 

冬ボーナスの伸び率1位の業種は「機械」で前年比22.99%増。前年から約17万円も増えた。一般的に消費者にはなじみが薄いかもしれないが、工場や各種現場などに設置する産業機械や工作機械などを製造する、モノづくりに不可欠な業種だ。

最近はIOT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などを取り入れることで、工場運営の各種データ管理を効率化し、生産性や品質の向上を図る「スマートファクトリー」という考え方が普及。機械業種はITとも深い関係がある。

2位は「サービス」で前年比13.02%増。大幅に増えた背景にはコロナ禍の終息やインバウンド効果などで特に宿泊業や飲食業などの深刻な人手不足があるだろう。人材を確保するためにボーナスを増やした企業もあるのではないか。

続いて3位は「紙・パルプ」で前年比11.16%増。印刷用紙やトイレットペーパーなどの紙製品を製造している業種だ。パルプとは紙製品の原料となる、木材や古紙から取りだした繊維のこと。

ここ数年はインフレによる原材料の高騰が収益を圧迫。しかしコスト削減や製品への価格転嫁が進んだ結果、前期決算では黒字に転換した企業も一部出てきている。

調査概要 調査名:令和6年 民間主要企業年末一時金妥結状況 調査主体:厚生労働省 調査対象:妥結額(妥結上明らかにされた額)などを把握できた資本金 10 億円以上かつ従業員 1000 人以上の労働組合のある企業 324 社 公表日:2025年1月 17 日