選んだファンドが続けられなくなる? 運用会社の撤退という「盲点」

新NISAは制度自体は悪いものではない。ただ、1人1口座については改善の余地があるのではないか。最近は口座開設に際してマイナンバーカードの提示を求められるので、それを使えば複数金融機関でNISA口座を開設しても、名寄せは可能であろう。実現にはさまざまな課題があると考えられるが、今のNISA制度で唯一、改善してもらいたい点だと思っている。

また、2025年は運用会社の事業継続性がひとつのテーマになると見ている。

特にNISAのように、長期投資を前提にして利用する場合、運用会社の事業継続性には十分に配慮するべきだ。運用会社とは投資信託(ファンド)を作っている会社のことだ。

NISAで積み立てたり、運用したりしている途中で、自分が保有しているファンドの運用会社が事業から撤退してしまうと、運用の継続性が途切れてしまう。特に、長期投資を前提にしたNISAでは重要な問題となるだろう。

25年9月にPayPayアセットが業績悪化を理由に投信ビジネスから撤退する方針だが、同社よりもはるかに運用資産の少ない運用会社が複数社、存在しているだけに、この点には十分注意したい。