国内投資家は為替のヘッジコストにいかに対処すべきか

――日本の投資家にとって外債投資でもっとも厄介な問題が、為替リスクとそのヘッジに伴うコストです。ここ数年、日米の金利差の拡大によってヘッジコストの拡大が続いています。どう対処すべきでしょうか。

円ベースの投資家にとって、25年後半にかけてグローバル債券市場は魅力的だと考えられます。たしかに現在、ヘッジコストの負担は重いのですが、日本だけが利上げを進めていくことでヘッジコストは低下し、その一方、グローバル債券市場は金利が低下していくのでトータルリターンでみれば投資妙味は強くなるでしょう。ゆえに、機関投資家だけでなく個人投資家の方々も米国をはじめとするグローバル債券投資を前向きに検討できるのではないでしょうか。

また現状でも、債券の組み合わせ次第で魅力的な利回り実現できると考えられます。例えば少しハイイールドを組み入れる、あるいは今後の利下げを見込めるオーストラリアやヨーロッパの債券を組み入れるといった工夫で、現時点のコストは高いものの良好なリターンを確保できるのではないでしょうか。今後は金融政策の正常化も進み、金利差を考えれば、分散された債券ポートフォリオで良好な利回りが得られると期待できるでしょう。

クレジット市場に関しても、グローバルの景気が堅調という点はファンダメンタルズ的に追い風です。これらをうまく組み合わせることで、ヘッジコストを相殺するだけのリターンを獲得できると思われますし、下半期にはヘッジコストもさらに低下し、良い状況が期待できると考えられます。