2025年のマーケット展望――債券投資の好環境が継続へ

――2025年の債券市場はどうなるのでしょうか。

債券市場全般は、トータルリターンの観点から好ましい環境になると考えています。グローバル経済の成長率は安定する中、インフレは緩やかに下落し、マクロ経済環境は良好です。日本を除く世界各国は金融緩和を進めており、ファンダメンタルズは一部の債券市場にとってポジティブであることは間違いありません。

個別では、クレジットはバリュエーションが割高な状態ですので、現状からの上昇余地は小さそうですが、魅力的なキャリーのクッションもあり、年の前半はサポートされるとみています。ポートフォリオとしては、バリュエーションを考慮しつつ、ディフェンシブなポジションを組んでいくことが必要でしょう。

国債は、中央銀行が金融緩和を進める余地のある国が選好されるでしょう。欧州は、欧州中央銀行(ECB)が積極的に緩和を続ける可能性が高く、ポジティブと考えられます。米国では10年債より年限の短いゾーンの国債は選好されるでしょうが、トランプ政権のかじ取り次第では不確実性が高まる可能性もあり、積極的にリスクを取ることは今のところ考えていません。他にも投資対象となる国はあり、年限ごとに選択をしていくべきでしょう。

例えば、オーストラリアの一部の国債や日本国債、そして、一部の新興国の国債は好ましい状況だと考えています。多様なグローバル国債が含まれるポートフォリオは魅力ある戦略になり得ると考えています。

MFS債券運用部門共同最高投資責任者(Co-CIO)ピラー・ゴメス・ブラボー氏