インデックス投資信託は大局観にベットする

投資である以上、もちろんインデックス投資信託にもリスクはあります。でも、ふつうの投資信託と違って、運用成績の良し悪しを左右するのは専門家の手腕ではありません。インデックス投資信託の場合は、それが連動している市場全体の指標に左右されます。運用成績が下がるのは市場全体の株価などが下がったときです。

個別の株式銘柄と同様、市場全体の平均株価も、短期的には上がったり下がったりします。したがってインデックス投資信託も、買ってから数力月後には値下がりしているかもしれません。

でも、長期的に見た場合は、話が違ってきます。日本の経済も、世界の経済も、大きな流れを見れば右肩上がりに成長してきました。戦争や自然災害やコロナ禍のような出来事の影響で一時的に経済が低迷することはありますが、やがてそれを乗り越えてまた上向いていくのです。日本の株式市場は    2024年2月22日にバブル崩壊後の最高値をつけました。バブル崩壊から立ち直るのに35年かかったということにはなりますが、スピードは遅いながらも日本経済も衰退しているとまではいえないということでしょう。その後、日経平均株価は同年7月11日に史上最高の4万2426円をつけたあと、8月5日には3万1156円まで下がるというジェットコースターの様相を呈していますが、きっとこの試練も乗り越えてくれると思います。世界に目を向ければ 、これからもおそらく経済全体は成長していくでしょう。

経済全体が成長していけば、平均株価をはじめとする市場全体の指数も伸びていくと考えられます。したがって、それに連動するインデックス投資信託の運用成績も、10年、20年という長いスパンで見れば上がっていくことが期待されます。

個別株式の投資法に「割安なときに買って割高なときに売る」という「それができれば苦労しないよ」というものがあるのですが、インデックス投資信託はそういったことを考える必要がありません。長い目で見ればまだまだ人類は進化するという大局観にベットするのがインデックス投資信託だといえるでしょう。

金融地獄を生き抜け

 

著者名 我妻佳祐

発行元    幻冬舎

価格 1,144円(税込)