日本の下半期は大丈夫だろうか? そう思うようなニュースがありました。11月20日、財務省が10月の貿易統計速報を発表しました。
私の注目事は貿易収支そのものではありません。気になっているのは輸出の動きです。
まず、2024年度における輸出金額のこれまでの推移を見てみましょう。
前回の記事はこちら トランプシフトに動くグローバルマネー。したたかなヨーロッパ、為替に振り回される日本、そしてアメリカは?
前年比でみると、割合好調だったことがわかります。伸びた月を見てみてましょう。一つは5月です。2024年のゴールデンウィークは2023年に比べて間にある平日が多かった。このことが奏功したと思われます。
9月は少し減りました。そして10月は前年比で3%ほど伸びています。しかし、見方を変えると、決してプラスとは言い切れません。
図の右側は前月比、財務省が発表している季節調整をかけた数字をまとめたものです。こちらで追うと実は10月はマイナスなのです。私はこの動きが非常に気になっています。
2018年以降、季節調整をかけた輸出金額と鉱工業生産指数の推移をまとめたのが次のグラフです。
輸出金額はコロナ禍で一度落ち込んだものの、戻ってきています。しかし、鉱工業生産指数は、全く回復していません。ワニの口が開いたような形になってしまっています。
輸出金額と鉱工業指数が異なる推移を示したのは当たり前と言えるかもしれません。なぜかと言うと、輸出金額は円ベースですが、鉱工業は指数ベースだからです。輸出金額の推移もドルベースで見直してみましょう。