三菱アセット・ブレインズがまとめた2024年10月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の新規設定ファンド数は30本と前月(21本)を大きく上回ったが、設定総額は約770億円と前月(約1370億円)から大きく減少した。新規設定額ランキング(設定額は設定日の純資産額)でトップは、三井住友DSアセットマネジメントが設定した「ニュートン・パワー・イノベーション・ファンド(ヘッジなし)」になった。設定額は531億円で、設定額が500億円を超えるのは2024年4月に新規設定された「フィデリティ・新興国中小型成長株投信」(設定額:約770億円)以来のことだ。
◆電力の「発電」「送電」「蓄電」をテーマにした新ファンド
新規設定額でトップになった「ニュートン・パワー・イノベーション・ファンド(ヘッジなし)」は、電力需要の拡大や電力市場の変革に伴い恩恵を受けることが期待される世界の株式に投資を行うテーマ型のアクティブファンド。「発電」「送電」「蓄電」の3分野に着目した銘柄選択を行い、設定当初では36銘柄に厳選投資している。クラウド利用の浸透による大規模なデータセンター、また、AI(人工知能)の発展などによってデジタル機器を使用することに伴う電力需要が世界的に急速に拡大している。加えて、化石燃料の使用による温室効果ガスの削減が地球規模で求められ、再生可能エネルギーへの代替など発電設備の新設も急ピッチで進められている。同ファンドが注目する「パワー・イノベーション」は、まさに全世界が直面している地球規模の課題になっている。時宜を得た設定といえ、多くの投資家の支持につながったと考えられる。