KDDIとローソンを共同運営 Ponta(ポンタ)経済圏の拡大へ布石
三菱商事は市況の影響を受けにくい非資源分野の拡大を進めています。その一環で取り組むコンビニエンスストア事業では通信大手のKDDIと協力し、ローソンの共同運営が始まっています。
三菱商事とKDDIは2024年2月、ローソンの非公開化で合意しました。ローソン株式を三菱商事とKDDIで50%ずつ保有し、ローソンを共同で運営する内容です。
ローソンは三菱商事の子会社でした。KDDIはローソン株式の公開買い付けを実施し、ローソンは同年7月に上場廃止となっています。一連の手続きで、ローソンは三菱商事とKDDI双方の持分法適用会社となりました。
三菱商事とKDDIがローソンの共同経営に踏み切った理由の1つが「Ponta(ポンタ)」経済圏の拡大です。Pontaを運営するロイヤリティ マーケティングは三菱商事の子会社として設立され、KDDIは2019年に資本参加しました。両社はローソンでの接点を増やし、Pontaユーザーの拡大につなげたい考えです。
KDDIはローソンに関連するサービスを相次いで投入しています。2024年10月には「auスマートパス」を「Pontaパス」へ刷新し、「au PAY」のローソンでのポイント還元率の引き上げを開始しました。同年11月にはローソンへの来店でデータ通信量が無料で付与される「povo Data Oasis(ポヴォデータオアシス)」の提供も開始しています。
ポイントは消費者の囲い込みに効果があるとされますが、競合も多く存在しています。Pontaは勝ち残ることができるのでしょうか。三菱商事とKDDI、ローソンの3社は、今後も関連するサービスを提供するとしています。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)