5大商社で最大級の収益 主力のエネルギー・金属は市況の影響大きい

三菱商事は総合商社の大手です。特定の商材を取り扱う専門商社と異なり、さまざまな商材を横断的に取り扱う業態を総合商社と呼びます。商社の伝統的な機能は商材の仲介(トレーディング)ですが、大手の総合商社は事業投資を通じ多様なビジネスを展開しています。

大手の総合商社の中で、三菱商事の売り上げはトップクラスです。売上高に相当する収益は五大商社で最大となりました(2024年3月期)。子会社には成城石井や三菱食品、千代田化工建設などを持ちます。また持分法適用会社にはKDDIと50%ずつ所有するローソンなどがあります。

【主な総合商社の収益(2024年3月期)】

・三菱商事:19兆5676億円
・伊藤忠商事:14兆299億円
・三井物産:13兆3249億円
・丸紅:7兆2505億円
・住友商事:6兆9103億円

出所:各社の決算短信

事業内容は多岐にわたります。利益の貢献が大きいのはエネルギーや金属といった資源事業です。これらは市況の影響が大きい領域です。年間の利益に与える影響額は、原油1バレルあたり1米ドルの変動で15億円、銅1トンあたり100米ドルの変動で32億円と三菱商事は試算します(2024年3月期)。

ほかの主な商材は産業素材や自動車、電力などです。不動産の開発や、コンビニエンスストアやスーパーマーケットといった小売り事業も展開しています。

【三菱商事のセグメント情報(2024年3月期)】

出所:三菱商事 決算説明会資料