“絶好調”のeMAXIS Slimシリーズ…死角はないのか
ただし、ひとつだけ心配があります。かつての「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」のように、eMAXIS Slimシリーズへの注目がブーム的なものでないかどうか、という点です。
5兆7685億円にも達した「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の純資産総額は、2024年11月1日時点で2636億円です。さまざまな事情が重なり、解約が相次いで純資産総額は大きく減少しました。
それでも2636億円の純資産総額があるので、これはこれで十分にビジネスが成立していると考えられますが、同じことがeMAXIS Slimシリーズに起こらないという保証は、どこにもありません。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を購入している人たちが、自分のリスク許容度に見合った資金で買っているのか、マーケットが急落しても退場することなく投資し続けられるのか、という点が今後、eMAXIS Slimシリーズがさらに大きくなるかどうかのカギを握っていると言えるでしょう。
ちなみに、投資信託には適正規模があるものの、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、投資対象となるマーケットの規模が非常に大きく、インデックス運用なので運用難に陥るリスクは極めて低く、また逆に解約が集中したとしても、アクティブファンドに比べれば、運用成績に悪影響が及ぶリスクも低いと考えられます。その意味では、ポートフォリオのベースとして、これらのインデックスファンドを持つメリットは、確かにありそうです。