マーケット予測は“参考”にしながら、付き合うもの
恐らく初めて投資をした人や、少しでも資産形成に関心のある人からすれば、ゴールドマン・サックスという米国の金融機関は、「世界最強の金融機関」というイメージが定着しているのではないでしょうか。投資銀行、証券、資産運用などの金融サービスを、世界中の企業、金融機関、政府機関に提供している同社は、1869年に創業された、世界で最も伝統のある金融機関のひとつです。
こうした出自を見ると、ゴールドマン・サックスの市場予測は、“神のご託宣”のように聞こえるのかも知れません。
でも、ここまで書いたように、著名ストラテジストであるデービッド・コスティン氏の予測とはいえ、それがピタリと当たるとは限りません。マーケットの予測とはその程度のものなのです。
もちろん、だからといって軽視しても良いというわけではありません。専門家は専門家の知見を活かし、膨大なデータを分析して、このようなマーケット分析のレポートを書いているわけです。それは一読の価値がありますし、今回のようにS&P500のリターンが向こう10年にわたって低迷するというのであれば、それを心に留めておく必要はあると思いますが、全面的に信じるのは考え物です。
もし、どうしても気になるという人で、自分が保有しているポートフォリオにS&P500に連動するインデックスファンドがあるならば、その投資比率をある程度、下げておけば良いでしょう。
ただ、前述したように、マーケット予測が必ず当たるという保証はどこにもありませんから、全てを売却してポジションをゼロにしないことをお勧めします。