◆国内株式の先行きには投資家の間で見方が分かれる

売れ筋ランキングで第3位につけている「SBI 日本株4.3ブル」は、国内株式市場の動きを4.3倍に増幅して動くレバレッジ型ファンドで、その人気が強いことは投資家が国内株式市場の先行きに強気の見方をしているように見えるが、一方で「楽天日本株4.3倍ブル」は前月から順位を落としているように、強気の見方一辺倒ではない。

実際に、SBI証券の売れ筋ランキングでは、第10位に「SBI 日本株3.8ベア2」がランクインしている。ベア型は株価が下落することによって利益が出るファンドなので、「SBI 日本株4.3ブル」とは真逆の相場観ということになる。相対的にブル型の方がランキング上位にあるため、株価の上昇を見込む投資家が多いということだが、下落することを見込む投資家も少なくないということだ。

国内株式市場は、自民党総裁選の影響を受けて大きく揺れ動いた。第2次安倍政権の「アベノミクス」がもたらした株高と同様の効果を高市早苗候補に期待した市場は、高市氏優位の下馬評を受けて、総裁選の結果が出るまでに日経平均株価を2000円近くも押し上げた。ところが、財政健全化に重きを置くとみられている石破茂氏が自民党の総裁に選ばれたことによって株価は高市氏を期待して上げた分を下げてしまった。まさしく、この間の株価のドタバタを9月のネット証券の売れ筋は良く捉えたものといえる。今後、国会論戦等を通じて明らかになる新政権の経済運営等がどうなるのか? また、10月27日に予定される総選挙の結果がどうなるのか? まだまだ、国内株式市場のボラティリティ(価格変動率)は大きな状態が続きそうだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩