まず、毎月黒字を目指し、早く100万円貯める

5月の給与明細を確認してください。

新社会人の会社員・公務員の人は5月の給与から4月の給与明細にはなかった厚生年金保険料(標準報酬月額*の18.3%を労使折半⇒自己負担は9.15%)と健康保険料(勤め先などによって異なりますが、標準報酬月額*の約10%を労使折半⇒自己負担額は約5%)の給与天引きが開始しているはずです。 時間外手当などを除くとこの5月の税・社会保険料など控除後の給与が今後1年間使うことのできる給与の基本的な金額になります(住民税は翌年の6月から控除されます)。この金額をベースに毎月の家計管理を考えます。
*ここでの報酬は、労働の対償として受け取るすべてのもの(3か月を超える期間ごとに受け取る賞与および臨時で受け取るものを除く)のことです。社会保険料算出に際して報酬月額を一定の範囲の等級にあてはめて標準報酬月額としています。なお、賞与からも同様に厚生年金保険料と健康保険料が徴収されます。

筆者が考える新入社員の皆さんに習慣化して欲しいことは、以下の3点です。

✓ 銀行口座に振り込まれる手取り給与の範囲内でお金を使う
✓ 給与天引きや口座引き落しなどで、まず一定額を貯蓄する
✓ 100万円を目標に貯蓄をスタートする

まず「手取り給与」の範囲内での消費生活習慣です。このように書くと当たり前のことなのですが、これができない人が少なくありません。1か月しっかり予算を立て、何にどれだけ使ったかを把握して、手取り給与の範囲内でお金を使う感覚と習慣を身につけてください。

ポイントはクレジットカードなど現金の裏付けのいらない手段での支払いのコントロールです。「貯めて購入する(=借りない)」が基本です。また、奨学金の借り入れがある人は奨学金返還金額も忘れないでください(奨学金返還後の金額が実質的な手取り給与です)。

次に、給与天引きや口座引き落しなどを使って、貯蓄する習慣です。

給与 - 貯蓄 = 使えるお金

理想は給与天引きです。

先ほど手取り給与の範囲内での消費と述べましたが、手取り給与を「実際に銀行口座に振り込まれた金額」と考えている人が多いので、給与天引きでの貯蓄は習慣になりやすいからです。もちろん口座からの自動引き落しでもいいのですが、その場合は給与日と引き落し日が同日または接近していることが理想です。

最後が、ともかく「100万円貯める」です。

将来何があるかわかりません。予備資金として100万円貯めてください。可能であれば、税金の安い入社1年目で貯めるのが理想です(単純計算では月5万円、ボーナスで40万円です)。

この100万円が早くたまると心にゆとりができますし、100万円貯める過程で新社会人としての消費習慣が身につくはずです。