自分の受取方法とともに、両親の希望もヒアリングしよう
始めは浮かぬ表情で伏し目がちだった森田さんでしたが、「確かに全て一括で受け取るより、国民年金以外にも年金の形で受け取れるものを確保しておくのはよさそうですね」と、ほっとした表情に。少し肩の荷が下りた様子です。
森田さんのベースとなる公的年金は、65歳から月額15万円、年間180万円ですが、もうひとつ明確にしておくべきことは、ご両親の年金等の収入面です。
森田さんは自身の年金のことだけでなく、ご両親の介護についても心配していますので、ご両親が受け取っている年金額はいくらなのか、また将来どのような介護を希望するのかをきちんと確認しておくことが欠かせません。
森田さんの預貯金は約300万円ですが、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金とは別に退職金(一時金)として約1000万円が支給される見込みとのこと。さらにiDeCoとあれば、それぞれの金額にばらつきはあるものの、60歳で一時金として受け取る、年金として受け取る等、加入している制度ごとに受取方法を選ぶことはできます。
制度の手厚い会社に勤めていることに加え、将来に備えてご自身で選択して備えてきたこともあり、今の家族構成のまま大きな変化がなければ十分暮らしていけそうだと何となくイメージが湧いたようです。
今のうちにご自身が将来一人暮らしになった時の生活費のシミュレーションをしておくこと、さらにご両親に今後必要となるかもしれない介護費用を見積もっておきたいとのこと。課題解決の方向性が明確になったことで、老後についても前向きになれたようでした。