ベースとなる公的年金の国民年金と厚生年金の受取額を確認

公的年金の受給額を確認する場合、もっとも手軽にできるのが「ねんきん定期便」です。手元に「ねんきん定期便」が届いていれば、確認してみましょう。

森田さんは大学を卒業してから、今勤務している建設会社で22歳から38年間働いています。ねんきん定期便によると、65歳から受け取れる公的年金見込額は国民年金と厚生年金を併せて年額180万円と分かりました。

月額に換算すると毎月15万円です。現在は親子3人で暮らしていて母親に家計を任せきりとのことで、毎月の生活費がいくらかかっているのかを把握するのは難しいかもしれません。一度、月額15万円で生活できるのか、どのような暮らしができるのか、現状を聞いてみて将来の自分の生活イメージにあてはめてみることをおすすめします。

確定給付企業年金(DB)と企業型DCとiDeCoはいくらになる?

森田さんの場合、勤務先は確定給付企業年金(DB)と企業型DCの両方を導入しています。iDeCoには7年前に加入し、月額1万2000円拠出しているそうです。iDeCoについては加入期間が短いため、わずかな金額にしかならないだろうとは思っているものの、将来のためにストックしておきたいと考えているそうです。

会社からの書面を見てみると、確定給付企業年金は一時金として受け取る場合は約1000万円ということが分かりました。

一方、年金として受け取る場合は、受取期間5年では年間約200万円、10年で約100万円です。いずれも年間の受取額となるため、ご両親の生活が心配なら、60歳の時点で一時金としてまとめて受け取ることを検討しても良いでしょう。

企業型DCの掛金は月額1万円で、現状の運用利回りは約2.0%。運用益は約60万円、積立元本は240万円、運用結果は約300万円ということでした。

一時金として受け取る場合は約300万円、年金として受け取る場合は現状の利回りで推移したとすると受取期間5年で年間約60万円、10年で約30万円、15年で約15万円です。

また、iDeCoは53歳から7年間、毎月1万2000円を拠出しており、運用利回りはおよそ3.0%とのこと。トータルで7年間積み立てた元本は約100万円。運用利回りの3.0%を踏まえると運用益は約10万円、運用結果は約110万円とのこと。

一時金として受け取る場合は約110万円。一方、年金として受け取る場合は、受取期間5年では年間約20万円、10年では約10万円、15年では約7万円となります。

確定給付企業年金、企業型DC、iDeCoの全て約1500万円を一括で受け取る方法もあります。どれかを年金で受け取るなら、金額が確定している確定給付企業年金が良いでしょう。