冷静になれないときは…投資した理由を思い出そう

衝動的な取引を避けることが大切とはいえ、損失を抱えたときは冷静な判断が難しいものです。その場合、投資した理由を思い出してみましょう。投資したときに立ち返ることで、冷静さを取り戻せるかもしれません。

株式の価値は、その発行企業が生み出す利益に裏付けされています。投資家は、基本的にその利益の拡大に期待して投資します。

そして企業の利益は、株価の下落で直接失われるわけではありません。設備や顧客などに影響がないなら、これまで通り利益を稼ぎ出すことが期待できます。つまり、株式市場が大きく下落したとしても、企業の本質的な価値まで失われたとはいえないのです。

株価の急落に巻き込まれたら、投資した理由を思い出してみましょう。おそらく投資対象になんらかの価値を見出し、資金を投じたと思います。その価値が、株価の下落で失われたのか検証してみてください。きっと冷静さを取り戻すきっかけになるでしょう。

「ショック」は結構やってくる 過度な悲観は無用

最後に、株価の急落は珍しくないということも覚えておきましょう。事前の心構えは冷静な判断に役立ちます。

近年、「ショック」と呼ばれるほど株価が下落した主なケースは以下の通りです。頻繁とは言えないかもしれませんが、数年に1回は大きな下落が生じています。

【株価が下落した主なケース】

・2013年:バーナンキショック
・2015年:チャイナショック
・2016年:ブレクジット
・2018年:VIXショック
・2020年:コロナショック

同時に、市場はこれらのショックを乗り越えてきたという事実も知っておきましょう。日経平均株価は2024年7月に4万2000円を超えて史上最高値を更新 しています。また2024年は8月に急落したとはいえ、年初来は10%以上のプラスです(2024年9月19日終値) 。過度に悲観する必要はありません。

ここまで紹介してきた心構えを参考にして、相場の急落に直面しても、長期・分散・積み立てを心がけ、冷静に対処しましょう。