金利引き上げ後も「預金金利を確認していない」人がなんと6割超も

今年3月に日銀がマイナス金利を解除し、政策金利を引き上げました。日銀は一般の銀行とお金の貸し借りを行っており、その際の金利(政策金利)を動かすことで世間の金利に影響を与えることができます。マーケットでは大きなニュースになりましたが、世間ではどれくらい知られているのでしょうか。調査は東京スター銀行が全国20代~60代の男女1000人に質問。結果、マイナス金利政策の解除により政策金利が引き上げられたことを知っていると回答した人は65%でした。

政策金利が引き上げられれば、普通預金や定期預金の金利も影響を受けます。しかし調査結果では、普段使っている銀行の預金金利を確認していない人が65.9%にものぼりました。

なぜこれほど多いのでしょうか。調査では、預金金利を確認していない人にその理由を質問。結果「たいして金利が変わっていないと思うから」と回答した人が55.5%と半数を超えました。

図表1 普段使っている銀行の預金金利を確認していない理由

出典:東京スター銀行 「マイナス金利政策解除にともなう資産形成および定期預金に関する実態調査」

みんながイメージする預金金利と実際の差は何と約250倍の場合も

「たいして金利が変わっていない」という回答もありましたが、そもそも現在の預金金利をみなさんどの程度知っているのでしょうか。調査では、2024年6月現在の都市銀行における1年満期の定期預金金利が何パーセントかを質問。

結果、「わからない」と回答した人が35.4%と最多。都市銀行における実際の1年満期の定期預金金利は0.025%ですが(2024年6月時点) 、それより低い金利を回答した人も半数近くに。金利の回答で最も多かったのは0.0001%で、実際と約250倍も差がついています。

1年満期の定期預金金利が1%を大きく下回ったのは1995年以降のこと。30年近く低金利が続いたことで、もはや、「銀行の預金金利は0%と大して変わらない」という固定観念ができあがり、預金金利が上がると言われても実感がわかないのかもしれません。

図表2 2024年6月現在の都市銀行における1年満期の定期預金の金利は何パーセントだと思うか

出典:東京スター銀行 「マイナス金利政策解除にともなう資産形成および定期預金に関する実態調査」