配当性向は目標未達、配当金の上方修正はある?新設の株主優待もチェック

最後に新しい還元方針を紹介します。

めぶきFGは2023年11月、総還元性向の目標を40%以上に引き上げました(従来は30%)。また2023年度決算説明会の質疑応答では、株主還元について「配当性向のみで40%以上」を目指す方針が示されています(出所:めぶきFG 2023 年度決算説明会(ラージミーティング)における主なご質問とご回答(2024年5月24日開催))

今期(2025年3月期)の期首時点での計画では、総還元性向は46%に達しています。しかし配当性向は26%台にとどまります。配当は前期比で増やす予定ですが、増益を見込む影響から配当性向が低下する構図となっています。

今期の純利益は520億円の計画です。配当性向40%を目指すなら、総額ベースで208億円の配当金を出す必要があります。還元方針に従うなら、配当金は前期(配当総額123億円)からおよそ70%の増加、期首計画(同139億円)からおよそ50%増加する計算です。

先述の説明会では今期は「年度途中においても機動的に株主還元を検討・実施する」方針も明かされました。進捗が好調なら、期中で配当の上方修正に踏み切るかもしれません。

還元に関連し、新設された株主優待にも紹介します。

めぶきFGの株主優待は、カタログから地元の特産品などを選んで受け取れるものです。その株主優待に、2024年3月期から「地元プロスポーツチーム応援コース」が新設されました。茨城県および栃木県に本拠地を置く下記7チームについて、公式グッズや観戦チケットなどが進呈される内容です。

【「地元プロスポーツチーム応援コース」の対象プロスポーツチーム】
・鹿島アントラーズ(サッカー)
・水戸ホーリーホック(サッカー)
・栃木サッカークラブ(サッカー)
・茨城ロボッツ(バスケットボール)
・H.C.栃木日光アイスバックス(アイスホッケー)
・栃木ゴールデンブレーブス(野球)
・宇都宮ブリッツェン(サイクルロードレース)

出所:めぶきFG 株主優待について

めぶきFGの株主優待は1000株以上の保有が対象です。1000株以上で2500円相当、5,000株以上で4000円相当、1万株以上で6000円相当の優待品を受け取れます。ただし継続して1年以上の保有が条件です。

株価は605.2円(2024年7月19日終値)ですから、1000株買ったときの優待利回りは0.4%、配当金(1株あたり14円、2025年3月期通期)を含めた利回りは2.7%となります。 

文/若山卓也(わかやまFPサービス)