損失を乗り越え利益拡大期に ポートフォリオ再構築で収益拡大

次に直近の業績を紹介します。

めぶきFGの2024年3月期は減収増益でした。外貨調達コストの増加から有価証券収支は悪化しましたが、債券の売却損益が前期から大きく改善したため、経常利益および純利益は3割を超える増益となっています。

【めぶきFGの業績(2024年3月期)】
・経常収益:3100億円(-5.8%)
・経常利益:630億円(+35.1%)
・純利益:433億円(+34.7%)
※()は前期比
※(銀行単体合算):業務粗利益1479億円(+31.0%)、コア業務純益819億円(-15.3%)

出所:めぶきFG 決算短信

保有ポートフォリオは前期比で4700億円拡大しました。内訳は外国証券で2100億円、国内債券で1500億円です。

一方、デュレーション(※)は円債と外債ともに短期化しました。デュレーションが短くなったことで、円債は残高を積み増しながらもリスク量が減少しています。金利が0.1%ポイント上昇したときの想定減価額は、円債で95億円(前期は114億円)、外債で24億円(同19億円)です(出所:めぶきFG 決算概要)

※デュレーション:元本の平均回収期間のこと。債券は一般にデュレーションが長いほど金利上昇時の値下がりが大きくなる。

今期(2025年3月期)の見通しは以下の通りです。先述の通り、めぶきFGは今期に国内債への投資を拡大します。有価証券は平残で5500億円増加、収支は26億円の改善、売却損は167億円の改善を想定します。これらの影響から、経常利益と純利益はともにおよそ2割の増益を見込みます(出所:めぶきFG 決算説明会資料)

【めぶきFGの業績予想(2025年3月期)】
・経常収益:非開示
・経常利益:750億円(+18.9%)
・純利益:520億円(+19.9%)
※()は前期比
※(銀行単体合算):コア業務粗利益1775億円(-5.1%)、コア業務純益700億円(-3.7%)

出所:めぶきFG 決算短信