ETFなら、この指数の組み合わせが手堅い
ただし、ここで注意しなければならない点が2つあります。
ひとつは、「高配当利回り銘柄=連続増配銘柄」ではないこと。連続増配銘柄の配当利回りは、日経平均株価に採用されている全銘柄の平均と、ほぼ同じです。そして、連続増配銘柄は、どちらかというとグロース株の要素があります。対して高配当利回り銘柄は、一般的にはバリュー株と同様の性質を持っています。
これは、PBRで比較すると明らかです。日経平均高配当株50指数のPBRが1倍を割り込んでいるのに対し、日経連続増配株指数のそれは2倍以上になっています。ここで提案したいひとつの投資戦略は、日経平均高配当株50指数に連動するETFと、日経連続増配株指数に連動したETFを併せ持つことです。
前者については、たとえばNF日経平均高配当株50指数連動型上場投信が代表的なファンドです。後者については2023年11月に、大和アセットマネジメントが「iFree NEXT日経連続増配株指数」を設定。東京証券取引所に上場されています。
バリューとグロースの要素を併せ持つ
日経平均高配当株50指数に連動したポートフォリオで、素直に高配当株の利回りを享受し、それに日経連続増配株指数を組み合わせることで、バリューとグロースの要素を併せ持ち、スタイルの分散を図ることができます。そうすると、スタイルもリスクもニュートラル(中立)で、キャピタルゲインと配当利回りのインカムゲインの両方を狙えるポートフォリオを組むことができます。
もちろん、ETFに頼らず、個別銘柄でポートフォリオを構築する際も、高配当利回り銘柄と連続増配銘柄の組み合わせで、分散投資効果を高めることができます。
ちなみにスタイルを分散させるに際して、高配当利回り銘柄と連続増配銘柄のどちらに比重を置けば良いのかという点について、迷う人もいらっしゃるかと思います。
これは人それぞれです、としか言いようがないのですが、まずは5対5の割合で良いでしょう。これで十分なスタイル分散効果が期待できます。そのうえで、もし高配当利回りを重視したいのであれば、高配当利回り銘柄を7、連続増配銘柄を3にするとか、あるいはより成長性を重視したいのであれば、連続増配銘柄を7、高配当利回り銘柄を3にすれば良いのです。
利回り5%配当生活
広木隆 著
出版社 かんき出版
定価 1,760円(税込)