幸福度を上げるファイナンシャルウェルビーイングとは

幸福度は近年、ウェルビーイングともいわれ、高めていくことが人生の豊かさにつながると注目されています。ではどうすればウェルビーイングを高めることができるのでしょうか。さまざまな調査から導き出された結論の一つが、家計満足度や人生における選択の自由を高めるということでした。

そのためには、将来のライフプランを検討し、まずは家計満足度や将来の選択肢などを「見える化」することが第一歩。それがお金に関する幸福度「ファイナンシャル・ウェルビーイング」を高めていくことにつながっていきます。

一方、政策的な面では家計の収入を増やす具体策として賃上げなどが望まれます。国によって動き出している「資産所得倍増プラン」では、結果としてファイナンシャル・ウェルビーイングを高めることにつながる取り組みが重要視されており、今後はさらに金融経済教育の充実やライフプランの提供を促進するなどの取り組みが加速する予定です。

この点でお手本となるのがイギリスです。既にファイナンシャル・ウェルビーイングの向上が国家戦略として始まっています。具体的には、将来のライフプランの必要性を理解する成人を500万人増やす、効果的な金融教育を受ける子どもと若者を200万人増やすなどを2030年の国家目標としています。

「富裕層を増やそうというより、国民全体のファイナンシャル・ウェルビーイングの底上げを図っていこうということが打ち出されています。日本の資産所得倍増プランでは、2024年4月に立ち上がった金融経済教育推進機構(J-FLEC)の役割が大きく期待されます」と村上氏。