【賃上げ動向】2023年は7割の企業で実施、24年も6割が賃上げの意向
デフレもあって長らく横ばいが続いた日本の賃金。しかし円安による物価上昇や深刻な人手不足、さらには政府の賃上げ要請などの後押しもあって、連日企業の賃上げ報道が世間を賑わせたのは記憶に新しいところです。
三菱UFJ信託銀行が2024年5月に発表した、「第 5 回人事・退職給付一体サーベイ(人的投資編)」の調査結果(詳細版)では2023年に賃上げを実施したと回答した企業が従業員規模を問わず7割にのぼるなど、それを裏付ける結果となっています。こうした傾向は2024年も続くようで、実に6割近い企業が賃上げ実施意向を示しています。
その内訳をみると、大企業のほうが賃上げ実施意向の割合が10%以上低く、さらに製造業と非製造業でも10%以上差がつくなど、持続的に賃上げを行うかは規模や業種によって温度差があるようです。
こうした規模や業種の違いは賃上げの仕方にもあらわれています。同調査では「一律の引上げ」を志向する製造業に対し、非製造業では「新卒者の初任給や若手層への重点的な引上げ」を優先する声が多く挙がっています。