積み上がるキャッシュ M&Aで成長を目指す
HOYAは財務も良好です。資産に占める現金の割合が高く、有利子負債は抑制的です。また株主資本比率は80%に達しています。
なお「現金の7割ほどをドルで持っていて、外貨全体では比率がさらに高い」と説明していることから、キャッシュの増加は円安も手伝っていると考えられます(出所:HOYA 2024年3月期第2四半期 決算説明会トランスクリプト(外部リンク))。
【HOYAの財務(2023年末)】
総資産 | 1兆1010億円 |
現金および現金同等物 | 4505億円 |
負債 | 2267億円 |
有利子負債 | 260億円 |
株主資本 | 8808億円 |
株主資本比率 | 80.0% |
出所:HOYA 決算短信(外部リンク)
現金が積み上がっていることから、その使い道に関心が寄せられています。2024年3月期第3四半期の決算説明会では、現金の使い道について「成長投資のためのM&Aを第一に考えている」と従来からの方針を説明しました(出所:HOYA 2024年3月期第3四半期 決算説明会トランスクリプト(外部リンク))。
HOYAはM&Aで成長してきた企業でもあります。2000年に沖電気工業から半導体フォトマスク製造事業を、2004年に日本板硝子からHDD用ガラス基板事業を買収しました。また2007年にはペンタックスを子会社化し、内視鏡やカメラなどの映像事業を取得しています(ペンタックスは2008年3月に吸収され消滅)。
近年は海外M&Aも積極的です。2016年に米3M社から保護メガネ事業を買収しており、2019年には白内障の治療用機械などを手掛ける米Mid Labs社と独Fritz Ruck社を取得しました。
次はどのようなM&Aを展開するのでしょうか。投資家の期待が高まっています。HOYAは財務規律に照らしM&Aを進めるとしています。