上場以来赤字ゼロ 高収益のエレクトロニクス向けが利益を支える

HOYAは1961年に東証二部市場に上場し、1973年に東証一部へ指定されました。東証一部に上場してからは赤字になったことがありません(現在は東証プライム市場に上場)。

HOYAの利益を支えるのがエレクトロニクス向けの製品です。セグメント別利益で最大の情報・通信セグメントには、半導体やディスプレイの製造に用いられるフォトマスクやHDD用ガラス基板などが含まれます。収益力に強みがあり、売り上げのおよそ半分は利益です。

【セグメント利益(2023年3月期)】

        セグメント利益   セグメント利益率 
 ライフケア 943億円 19.9%
 情報・通信 1197億円 49.0%
 その他 9億円 20.3%

出所:HOYA 決算短信(外部リンク)

利益率に貢献していると考えられるのが高いシェアです。

HOYAはエレクトロニクス向け製品で世界トップクラスのシェアを持ちます。半導体用ブランクスやフラットパネルディスプレイ用のフォトマスク、HDD用基板のガラスサブストレートなどが代表的です。特にEUV(極端紫外線)向け半導体用ブランクスとHDD用ガラスサブストレートは圧倒的なシェアを持つとみられています。

【HOYAの主な世界シェア首位の製品(2022年度)】
・半導体用マスクブランクス
・FPD用フォトマスク
・HDD用ガラスサブストレート
・ガラス非球面モールドレンズ
※FPD:フラットパネルディスプレイ
※HDD:ハードディスクドライブ

出所:HOYA 2023年統合報告書サイト(外部リンク)

競争で優位に立つHOYAはライバルの脅威が小さく、同社の高い利益率につながっていると考えられます。