――まずは薄井さんから、エム・データの会社概要について教えてください。
薄井 当社はテレビ番組やCMの放送内容のすべてをテキスト化した「TVメタデータ」の収集・提供をメインの事業としています。
創業は2006年ですが、その前身となる会社でテレビの映像を録画し、テレビに映った商品や企業、人物、話題などの映像にタグを付けて広告会社やスポンサー企業に提供する業務を行っていました。このタグ付けされたテキストデータが膨大に蓄積されていく中で、これを別のビジネスにも生かせるだろうという発想から、当社が設立されました。
当初、TVメタデータは主にテレビ局の視聴動向分析に使用されていましたが、そこからCMの効果を分析したいスポンサー企業や広告代理店、調査会社などへと活用例が拡がっていき、運用業界に対しても当社の情報を提供するようになりました。
――次に塩谷さんから、handsの会社概要をお聞かせください。
塩谷 当社の創業は2021年で、オルタナティブデータの分析を通じて運用会社に投資戦略やインサイトを提供している会社です。個人投資家向けには「PERAGARU for personal」というWebサービスを運営しています。
では、当社とエム・データの役割はどう違うのか。運用会社がオルタナティブデータを使用する際には、主に2種類の企業が関わっています。1つはエム・データのような自社でデータを収集・保有しているデータホルダー、2つ目は当社のように、投資戦略に活用できるようデータを加工して提供するデータプロバイダーです。
オルタナティブデータが活用され始めたころは、データホルダーと運用会社が直接取引することが一般的でした。しかし最近ではデータの種類が多様化したことにより、単に情報を購入するだけでは投資戦略への応用が難しくなっています。そこで当社のようなデータプロバイダーが介在し、運用会社に対してデータの分析からインサイトの抽出といったサポートを提供しているわけです。