「50歳で貯蓄ゼロ。65歳までにしっかり老後資金をつくりたい」50歳、既婚、Ⅿ瀬さんのケース→最後の貯めどきを活用しましょう

教育費で資産を使い切っても50代なら老後資金は間に合う可能性が大

子どもが生まれたのが早く、50代前半で教育費の支出が終わる場合、その時点で貯蓄がほぼなくなっていても、老後資金づくりは十分間に合います。この年代は収入が増えている傾向にあり、その分投資に多く回せることと、60歳で完全にリタイアするのでなければ、投資できる期間もまだ10年以上は取れるためです。

このケースでは、50歳からの投資で老後資金をつくるプランをご紹介します。モデルはM瀬さんご夫婦(夫50歳、妻48歳・パート)。50歳から夫は月8万円、妻もパート代から月2万円でNISAでの積み立てを開始します。このペースを夫が59歳のときまで続けます。投資する商品は、想定リターン(年率)3%程度のバランスファンドです。

退職金の一部を投資に上乗せ

60歳からは再雇用で働く予定で、夫の投資額は月1万円に減額します。退職金を1000万円受け取るものとし、このうち300万円を毎月の投資に1年間かけて分けて上乗せします。その後64歳になるまで、夫1万円、妻2万円の積み立てをキープすると、65歳時点の運用資産額は約2200万円になる計算です。積み立てた元本は1680万円なので、15年で約500万円増やせたことになります。退職金の残りの現金も合わせると老後資金は約2800万円となります。

65歳から、月10万円ずつ取り崩し

夫が65歳になり、完全にリタイアしたら取り崩しを開始します。運用を続けながら、月10万円の取り崩しであれば、資産は95歳まで持ちます。

仮に、50歳から59歳までの積み立てを月5万円に減らした場合、65歳時点での資産額は退職金も含めて約2000万円です。運用を続けながら95歳まで資産を持たせる場合、毎月の取り崩しは6.5万円ほどになります。

どのくらい老後資金がほしいかにもよりますが、教育費終了後は最後の貯めどきであることを意識し、しっかり投資に回していくことが老後の安心をつくる秘訣といえるでしょう。