取得した海外子会社が火種に 連結の翌月に破産
グローエはジョウユウという子会社を持っていました。主に中国で水栓金具を販売していた企業で、当時はドイツの証券取引所に上場していました。リクシルはグローエ買収に合わせジョウユウも取得します。このジョウユウがリクシルの目算を大きく狂わせることになりました。
ジョウユウは2015年4月にリクシルの子会社となります。しかしそのわずか1か月後、ジョウユウはドイツの裁判所に破産を申し立てました。不正会計が明らかになり、債務超過であることが発覚したためです。
親会社のグローエはジョウユウの実態を把握しておらず、リクシルも買収時に気付けませんでした。リクシルが調査したところ、ジョウユウの不正会計は2008年にさかのぼることが判明します(出所:リクシルグループ Joyou問題に関する調査結果について)。
ジョウユウは破産前に多額の融資を受けていました。これらの債務保証もあり、リクシルは大きな損失を負うことになります。リクシルは2013年度と2014年度の決算を下方修正し、2015年度には300億円を超える特別損失を計上しました。2015年度は最終赤字に転落しています。
【リクシルグループの純利益(2010年度~2015年度)】