もしも、自分のお金を運用してくれている資産運用会社が、ある日突然、経営破綻に陥ったり、経営破綻しないまでも資産運用ビジネスから撤退したり、あるいは外資系資産運用会社であれば、日本市場から撤退したりしたら、どうなるでしょうか?

2027年の資産運用業界はどうなっている?

コンサルティング会社であるPwCが「資産運用業界における変革への対応」というレポートを出しました。同社が行ったグローバル・アセット&ウェルス・マネジメント・サーベイによる、2027年の業界予測で、グローバルの資産運用会社および機関投資家それぞれ250名を対象にした調査をもとにした内容です。

レポートの内容をかいつまんで紹介すると、

「2022年の運用資産残高は過去最高を更新した2021年を10%近く下回る厳しい環境だった。今後2年間はインフレや市場のボラティリティ、金利動向が最大の懸案事項になる」とはいえ、「世界経済は再び成長に向かい、資産運用収益は2027年までに過去最高を更新する見通し。総収益に占める割合は、アクティブ運用が低下傾向をたどる一方、プライベートマーケット運用が大きく伸びる」とのことです。

ちなみにプライベートマーケットとは、未上場企業株式に投資するプライベートエクイティファンド、非上場リート、流動性は低いけれども長期的に高い収益性が期待される資産クラスに投資するインターバルファンドなどを指します。

日本では個人向けに開放されていない資産クラスですが、米国では100万ドルの投資可能資産(純資産)を持っている富裕層を中心にして、徐々に投資機会が認められています。

また、アクティブ運用が獲得する資産運用収益が低下傾向をたどるということは、それだけ資産運用ビジネスにおけるアクティブ運用のシェアが下がるかもしれないことを示唆しています。