総経費率の低下で注目される商品
それと同時に、2027年までにアクティブ運用の総経費率が0.59%に、パッシブファンドの総経費率が0.13%に低下することも指摘しています。
日本でも信託報酬だけでなく、目論見書の作成費用やライセンス費用、売買手数料などを含めた総経費率を、2024年4月から目論見書等に記載することが義務付けられました。今後、投資信託で運用する際のコストを把握するうえで、総経費率の考え方が一般化していくでしょう。
それはさておき、アクティブ型の総経費率が低下し、かつ獲得する資産運用収益が低下傾向をたどることになると、運用会社としてはアクティブ型を運用し続ける意義がどこにあるのか、という疑問に直面せざるを得なくなるでしょう。
また同レポートでは、こうした環境下で注目される商品として、ETF、ダイレクトインデックスを挙げています。
ダイレクトインデックスとは、S&P500や TOPIX(東証株価指数)といった指数に連動するインデックスファンドに近い商品ですが、構成銘柄の中身を投資家が自分でカスタマイズできる商品です。
あまりなじみのない商品名ですが、米国では1990年代から存在しているようです。当初の狙いとしては、構成銘柄のなかで損失が生じている銘柄を売却して損失を確定させ、同時に値上がりしている銘柄の利益と損益通算して節税効果が期待できることから注目されました。
しかし、最近は「ESGスコアの高い銘柄の組み入れを増やす」、「健康被害の高い商品を製造している企業を外す」といった形で、投資家の意思を構成銘柄に強く反映させることのできるインデックスファンドとして注目されているそうです。