「eMAXIS Slimシリーズ」が人気

 

SBI証券と楽天証券の積立人気ランキングでは、eMAXIS Slimシリーズが1位と2位に入っている。eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを目指し続けていて、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬は0.09372%以内、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬は0.05775%以内となっている。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」で第1位に選ばれており、個人投資家の関心も高い。

さらに、8月末時点における純資産残高は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が2兆5938.6億円で国内公募株式投資信託(ETF除く)の中で1位、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が1兆4242.14億円で第3位となっている

純資産残高が多いファンドほど繰上償還のリスクが小さくなることや、スケールメリットによって今後も信託報酬が引き下がる可能性があることから、つみたてNISAなどで長期保有するのにも適しているファンドといえる。

eMAXIS Slimシリーズは米国株や世界株式だけでなく、国内株(日経平均株価やTOPIX)、新興国株を対象にしたものや、債券や株式、不動産など幅広い銘柄に分散投資するバランスファンド「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」など、さまざまな種類がある。低コストのインデックスファンドシリーズなので、自分の投資スタイルにあったファンドを組み合わせて運用するのもおすすめだ。

積立投資でもインド株ファンドが人気に

 

「グローバルサウス」の中でもインド株の注目度は高い。「グローバルサウス」とは、アジアやアフリカ、中東、ラテンアメリカなどの新興国や途上国を総称した言葉である。主に北半球の先進国との対比で使用され、世界経済における格差など南北問題の「南」を指す。ただ、インドやインドネシア、ベトナムなどは、今後、経済発展が期待できる地域として期待されている。

SBI証券でランキング4位の「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」は、主にETF(上場投資信託)に投資し、インドを代表する株価指数であるS&P BSE SENSEXインデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。国連人口基金の「世界人口白書2023」によると、インドの人口は14億2862万人となり、中国の14億2567万人を抜いてはじめて世界1位となった。

2022年度の推計では25歳未満が全人口の43%を占める若年層中心の人口構成で、世界的にもっとも成長が期待されている。ただ、これまでインド株に投資するファンドはアクティブ型がメインで、保有コストである信託報酬が年率1%程度かかっていた。しかし、同ファンドはインデックスファンドなので信託報酬は0.4638%程度(年率・税込)と、これまでの半分程度になっている。積立投資で長期保有するのに適したファンドといえるだろう。