継続研修の効果はどれくらい出ている?
みなさんは、3年以内に継続研修受けられましたか?
日本にも、「確定拠出年金法」という、アメリカの年金保護法に近いものがあります。導入時の研修や継続研修をしてください。ときっちりと定められています。
ですが、独力義務となっており、しっかりと実施されているとは言い難いのが現状です。
企業年金連合会が実施しているアンケート、2021(令和3)年度決算確定拠出年金実態調査結果によりますと、アンケートを採った681社のうち、81.5%もの企業が継続研修を実施しているそうです。実はほとんどの企業で実施していると言えるのではないでしょうか。
ただ一方で加入者側からのアンケートを見てみると、違った様相が見えてまいります。年金シニアプラン総合研究機構が、実施した2022年のアンケートを見てみますと、少し違って結果になっており、示唆に富んでいます。まずは、従業員は継続研修などを受けているかの実感です。
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出所:年金シニアプラン総合研究機構(2022年)をもとに作成
「継続研修を会社が実施している」と感じている方が赤・緑になります(赤:これまで継続的に何回か受けた、緑:勤務先では教育・研修が実施されていたが受講しなかった)
アンケート結果を見ると、小さい企業ほど、継続研修が実施できていないようで(実施されていると感じている人が8.1%)、企業規模が大きくなるほど、その割合が大きくなり1,000人以上の会社で、その割合が18.1%になっています。ですが、それでも企業側が「継続研修を実施している」と答えている81.5%と大きな隔たりがあります。
もし従業員の「受けたと感じている人」の数字を15%と仮定すると、750万人(加入者数)×15%の112万人ほどしか受けておらず、600万人以上が受けていないことになります。せっかくの企業型確定拠出年金がもったいないです。
さらには、次のようなデータもあります。これはどのような継続研修をどのような方法で行ったかたの結果です。一番多いのは、運営管理機関の方による研修だそうです。
過去3年以内実施した継続的な情報提供・教育の手法と内容(複数回答)
出所:継続教育の実施方法:企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査2021:NPO法人DC・iDeCo協会
運営管理機関の方による研修を受けたことのある多くの方から「面白くなかった」「参考にならなかった」という声をお聞きします。これは運営管理機関の講師の方が悪いのではなく、講師を頼んだ会社が悪いのです。
実は運営管理機関の方にはさまざまな制約があり、商品に差をつけて説明することや投資の配分の考え方について言及することはできず、公平に説明することしかできません。解説などしかできないんです……。運営管理機関の方は、ある意味誠実に実行してくださっていると言えます。
それではどのような継続研修がいいのでしょうか。