どのような金融商品を含めるか?
マネーストック統計において、通貨(マネー)としてどのような金融商品を含めるかは、国や時代によっても異なっており、一義的に決まっているわけではありません。
民間金融機関の預金や郵便貯金以外にも、最近では貸付信託や国債、投資信託などの有価証券で保有されている通貨の量も増えてきました。
日本では現在、下図のように通貨発行主体と金融商品の関係性から「M1」「M2」「M3」「広義流動性」という4つの指標を作成・公表しています。
M1はもっとも容易に決済手段として用いることができる、現金通貨と預金通貨で構成されています。
M2は、現金通貨と国内銀行等に預けられた預金、準通貨、譲渡性預金で構成されます。ここで、準通貨とは、定期預金のような解約して現金通貨や預金通貨に替えれば決済手段になる金融商品のことです。
M3は、現金通貨と全預金取扱機関に預けられた預金、準通貨及び譲渡性預金を加えた残高です。
広義流動性は、M3に「流動性」を有すると考えられる金銭の信託、投資信託、金融債、銀行発行普通社債、金融機関が発行する有価証券、国債、外債を加えた指標になります。
●第3回(今さら聞けない!? 日銀「異次元緩和」のキーワード“マネタリーベース”って何?)では、日銀の政策でも“頻出ワード”であった、マネタリーベースについて解説します。
『経済指標 読み方がわかる事典』
森永康平 著
発行所 日本実業出版社
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