リターンもつみたてNISAの方が大きい
初心者に優しいだけでなく、つみたてNISAはリターンも魅力的です。対象ファンドの5年累積リターンは21.4%と、全体(同16.7%)を上回る成績を残しました(2022年末時点)。
【5年累積リターンの比較(2022年末時点)】
・つみたてNISA対象ファンド:21.4%
・全ファンド:16.7%
出所:金融庁 国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析
ただしつみたてNISAには債券型ファンドがありません。一般に債券は株式よりリターンが小さいため、この差が反映された可能性があります。
そこで分類別に比較すると以下のようになりました。国内株式型、新興国株式型を除き、いずれもつみたてNISA対象ファンドの方が好成績だったことがわかります。
【分類別、5年累積リターンの比較(2022年末時点)】
つみたてNISA 対象ファンド…① |
分類平均…② | 差 (①-②) |
|
国内株式型 | 10.7% | 13.4% | -2.7% |
先進国株式型 | 57.5% | 42.3% | 15.2% |
新興国株式型 | 5.8% | 5.9% | -0.1% |
グローバル株式型 | 51.7% | 47.5% | 4.2% |
バランス型 | 20.5% | 9.1% | 11.4% |
※新興国株式型とグローバル株式型はインデックス運用、その他は分類全体の値
出所:金融庁 国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析
なお、国内株式型のつみたてNISA対象ファンドは分類平均に対しリターンが大きく劣後していますが、同分類で最も大きなリターンを稼いだのはインデックス運用のつみたてNISA対象ファンドでした。
【国内株式型の5年累積リターンの比較(2022年末時点)】
つみたてNISA 対象ファンド |
分類平均 | |
全体 | 10.7% | 13.4% |
インデックス運用 | 21.0% | データなし |
アクティブ運用 | 6.3% | 11.6% |
出所:金融庁 国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析
2024年からも新NISAで継続OK
つみたてNISAは高コスト・高リスク銘柄が除外されていること、またリターンも比較的良好なことから、初心者向きの制度だといえます。
なお、現行のつみたてNISAは2023年で終了しますが、同様の仕組みは2024年から始まる新しいNISAでも踏襲されることとなりました。
新しいNISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が設けられます。うち、つみたて投資枠で投資できる商品は、つみたてNISAと同様です。2024年以降は、この制度を利用して運用を継続するとよいでしょう。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)