債券価格とは?

債券価格は、債券を売買する際に適用される価格です。また、債券には「額面価格」があり、一般的には100円と決められており、この価格が変動することはありません。

額面100円に対して年3%の利率であれば、毎年3円の利子を受け取れます。額面100円の債券を100万円分購入すれば、毎年の利子は3万円になります。

ただ、多くの債券は「債券市場」で自由に売り買いできます。売り買いする際には、「いくらで売るか」、「いくらで買うか」が決められていないと、何もできません。そのため、債券市場で債券を売り買いする際の価格として、「債券価格」が存在します。

債券価格は株価と同様、市場の需給関係によって値動きします。その債券を買いたいという投資家が多ければ、債券価格は値上がりしますし、売りたいという投資家が多ければ、債券価格は値下がりします。

仮に償還まで1年の債券があるとしましょう。額面価格は100円で、利率は3%です。これから金利がさらに下がるという見通しが強まると、利率3%の債券は投資妙味が高まります。金利低下によって、新しく発行される債券の利率は、2.5%、2.0%というように低下する可能性が高まるからです。

例えば、額面100円の債券を、100円25銭の債券価格で買ったとしましょう。債券は1年後の償還日に、あくまでも額面価格で償還金が戻ってきます。つまり、額面価格よりも25銭高い債券価格で購入した場合、この25銭が「償還差損」になります。

3%の利率だと、100円に対して3円の利子を受け取れますが、額面価格よりも25銭高く買っているので、この3円から25銭を差し引いた2円75銭が、実質的な収益になります。つまり、この債券を償還まで保有した時の利回りは2.75%になります。

少しややこしいとは思いますが、3%の利率が2.75%まで下がるのと同時に、債券価格は額面100円から100円25銭に値上がりしたことになります。つまり「金利が下がると債券価格は上がる」のです。