金融関係のニュースで、「消費者物価指数の上昇率が、前年同月比で低下し、債券相場が堅調に推移」という類いの文章を目にすることがあります。この意味が分かりますか?

金融リテラシーをチェック

いささか古い内容で恐縮ですが、金融庁が行っている「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果(令和3年6月30日)」という統計データで、金融リテラシーについて問う項目がいくつかあります。

その項目のトップは「金利と債券価格の関係」というもので、「金利が上昇すると、(固定金利の)債券の価格はどうなると思いますか?」という設問です。これに対する回答率は、次の通りでした。

<投資経験者>

・上がる・・・・・・22.7%
・下がる・・・・・・34.1%
・変化しない・・・・12.0%
・債券価格と金利の間には何の関係もない・・・3.8%
・分からない・・・・27.5%
 

<投資未経験者>

・上がる・・・・・・17.7%
・下がる・・・・・・15.0%
・変化しない・・・・11.6%
・債券価格と金利の間には何の関係もない・・・4.4%
・分からない・・・・51.4%

実際の調査では、20代から60代以上まで5つの年齢階層に分かれているのですが、上記の数字はすべて全年齢階層を対象にした場合の数字です。

正解は?

では、「金利が上昇すると、(固定金利の)債券の価格はどうなると思いますか?」という設問の正解は何でしょうか。正解は「下がる」です。

正解者の割合は、投資経験者で34.1%、投資未経験者で15.0%。投資経験者でも金利と債券価格の関係を正しく理解している人は、全体の3分の1程度でしかないのです。