長期・積立・分散に適した絞り込まれた商品はiDeCoにも向いている

「わからない」も「決められない」も取り除くためには、物事をシンプルにすることが役立ちます。そのためには検討の対象を減らし、選ぶために理解しなければならないことを一気にそぎ落とす必要があります。多くのマスコミやFPの人たちが推奨するネット証券ではiDeCoの商品ラインナップも30本以上が並んでいます。もともと投資が好きで自分の志向に合わせた投資スタイルがある方がメインのお客さまなので、その多様なニーズを満たすためにはそれぐらい必要なのだと思います。

ただ、初めて投資信託を買おうかどうか迷っている方には、ネット証券は最も商品選びが難しい運営管理機関だと思います。それでもラインナップされているiDeCo商品のうち「つみたてNISA対象商品」に限ると、その検討対象がSBI証券では38本が13本に 楽天証券では32本が8本に、松井証券40本が13本に絞り込まれます。そしてメガバンクや大手証券会社・大手生損保では数本にまで絞り込まれます。
※iDeCoナビでは、ターゲットイヤー型のシリーズの投資信託も1本とせずカウントしているため、法定上限の35本を超えることがあります。

例:SBI証券 ※図をクリックで拡大できます

出所:iDeCoナビ

iDeCoナビでは各社の商品一覧の上にある「つみたてNISA対象商品」にチェックを入れていただければ、つみたてNISA対象商品だけを表示することもできます。この中から選ぶとなれば、自分が投資する対象をどういう資産にするかということを決めれば、おのずと商品が決まると思います。インデックスファンドが中心になると思いますが、「つみたてNISA対象商品」に絞っても残ったアクティブファンド、これはこれで長期投資に耐えうることが期待される投資信託だと思いますので、個性のある運用を望むのであれば検討候補として運用方針などをチェックしてみると良いと思います。

さて、つみたてNISA対象商品について「長期・分散・積立に適した基準をクリアしている金融商品」だと言いましたが、金融庁や国が未来の資産運用の結果を保証するものでは決してありません。もちろんマーケット次第で価格は変動し、元本割れをすることもあります。それでも、長期に運用しながら資産をつくる上で必票な一定の基準を満たしていることは、同様に長期運用をして老後資産をつくっていくiDeCoの運用商品として有力候補といえます。

“商品が決められなくて始められない”を「iDeCoナビ」の「つみたてNISA対象商品」表示機能を活用して乗り越えていただけたらと思います。 

最後に、今回「つみたてNISA対象商品」マークを付けてみて、つみたてNISAの基準を十分に満たしていても「つみたてNISA対象商品」ではない投資信託がいくつもあることに気づきました。DC専用商品として組成された名残なのかもしれませんし、運用会社としての営業戦略なのかもしれません。NISAとiDeCoが個人の資産形成の両輪となっていく中で、これらの動向が今後どうなっていくか、長い目で見守っていきたいと思います。