注文に応じて「ベストの値段」が変化する

しかし、いつまで待っても、誰も135円12銭をヒットしてこないというケースも考えられます。そこでやむを得ず、あなたのほうからオファーをヒットすることにしました。ただ、オファーはいまのところ、ご覧のように3本しかありません。

それでもA銀行は135円12銭に指値していたビッドを3本キャンセルし、135円15銭でドルをとりあえず3本だけ買いました。そうすると画面は図表1-5Bのように切り替わりました。

図表1-5B

結局、待っていてもやはり135円12銭では買えなさそうなので、A銀行は135円12銭の残りのビッドを2本キャンセルし、135円16銭のオファーも買うことにしました。この時点で、画面は図表1-5Cのように切り替わりました。

図表1-5C

すると、これを見ていたB銀行は、これまで135円10銭にずっとビッドしていたのですが、オファーが段々遠ざかるので、このままドルが上昇してしまうのではないかと心配になり、ビッドを置く水準を引き上げることにしました。(図表1-5D)

図表1-5D

この一連の動きを通じて、ドル円のプライスは、ビッドとオファーともに2銭、上昇しました。このような取引が、インターバンク市場では盛んに行なわれており、いま見てきたような取引によって為替レートが動いていくのです。